JR九州

817系


ブラックフェイス817系。黒が前面に押し出されています。

篠栗駅にて 02/02/22



車内見附、腰掛を中心に見て行きます。


全景です。一番手前には補助腰掛、そしてその後ろからは転換腰掛が並びます。
ワンマン運転対応としては両側に整理券発行器、先ほどの丸い吊り革が天井に見えています。


少し腰掛に近づいてみます。腰掛の黒と木目の茶色が白いシンプルな車内のポイントです。


室内から見た窓はこんなにさらに大きく感じます。UVカットの入った窓はその広がりに感嘆します。


2両固定編成の817系ではかならず博多方向にはトイレがついていますが、
そのトイレ横から見た車内の様子です。


上とは反対側から見てみます。トイレ前は腰掛の設定は無く、
立席者もしくは身障者のための空間を確保しています。そのため広く、横には握り棒もあります。


貫通路を挟んでとなりの車両から妻壁部を見ています。
こちら側の車両では妻壁部まで転換腰掛が配置されていますね。


貫通路そのものですが、下に目を向けると渡し板が黄色。
むろん警戒色であることには変わらないのですが、わざわざその板に丸い穴が。
こんなところまでデザイン性には手を抜いていません。
でも合理化はやる。右は妻壁ですがその端には出入扉と同じ握り棒というよりは握りが。
共通化、簡素化できるところはそのまま同じもの、簡易な形状を使っています。




さて、この車両の最大の特徴である腰掛の登場です。まずは奥に見える転換腰掛から。


前面からですが枕部は885系と同じ盛り上がりのある黒のレザーの枕。
そして背ズリは木です。ちょうど背が当る部分にはこれまた黒のレザーのクッション。
そして同じ展開として座ブトンにもクッションが。どれもこれもが型破りな仕様です。


ぐっと腰掛に近づいてみます。先ほどの背ズリの点々は実はこれでした。
デザインの一つとして孔が背ズリの木目部分に沢山貫通した状態で開いているのでした。
この丸、水玉模様は車内床にも前述の貫通路渡し板にも見られたものですね。
この徹底ぶりには驚きの色を隠せないのが正直なところです。まして模様ではなく孔とは。


今度は腰掛下部に注目してみましょう。まずは座ブトン。クッションが木の板に取りつけています。
普通特急車でも座ブトンクッションで座フレームは隠すものなのですが、ここはこの817系。
逆に美しい白木を見せることでクッションレザーの黒との色彩感覚で絶妙な組み合わせを見せます。
でも合理化は忘れていない。余計な危害防止カバーなどは一切壁方向にはなく、
稼動部分は極力手が入りにくい形状となっています。
お陰でとても腰掛前面から見た壁方向の外観がすっきりとしたものに仕上がっています。


特徴的なのはまだまだあります。通勤、近郊型ではまず見られない1本足形状で腰掛を支えます。
そしてその外観こそは素材をそのまま活かしシルバーの色彩を見せつつも、
特徴あるカバーが足元を包み込むことで足元にも存在の重みをつけています。


側面から眺めると目に飛び込むは前述の枕部。そして目を引く取手。シルバーの側肘掛。
大きなシルバーの側肘掛は横にラインが幾重にも入りデザイン性を忘れていません。


最初に背ズリ枕部分にレザーを張りつけ、そしてその上にクッションを被せて
植え込むように包み込んでこのふっくらとした外観を生み出しているのです。


きっと特注したであろう取手。最近の傾向として取手は塗装もしくはコーティングされるのが主流ですが
シルバーの色彩をそのまま活かしたかったのか、まさに素材そのままです。
しかも色彩のみならず実際に握ってみたところほどよい丸み、大きさで握りやすいんです。



さて今度は補助腰掛です。


左手は前面から、右手は背面から補助腰掛を見ています。
1人掛である意味はおそらく補助腰掛以外はすべて転換腰掛であり、
乗降性を考えたとき通路の導入部の空間を確保するためにそうならざる負えなかったのかもしれません。
確かに着座定員は1名ですが、その仕様には特筆すべき点が沢山あります。
まず補助腰掛でありながら転換腰掛と同じく木が採用されている点。
そのため左の前面から見た跳ね上げ状態では収納はされないものの、とても綺麗に見えます。
そして背面。混雑時には開閉できないように集中管理が運転台からできる仕組みをとるため、
当然ながら電動機構、ロック機構が要求されるのですが、
それが背面で一つの円柱のカバーとなって床から伸びてきています。


それがこれ。円柱上部はこのように開閉可能状況を示すランプがあります。


さあ、開閉してみましょう。驚くなかれ転換腰掛同様に収納腰掛ながら同じレザーのクッションが。
ただしさすがに背ズリは同じというわけにはいかず、座と同じ平らなクッションが張られています。


そして細やかな配慮。やむ負えず取りつけ面で見えるリベット皿部分は決してネジを使うことなく
リベットで平らにすることで着座する乗客が服を引っ掛けることのないようにしています。



JR九州817系 浦田駅到着(1分52秒) ダウンロード[817-urata-arrival.rm(449KB)]

JR九州817系 新飯塚駅到着(47秒) ダウンロード[817-shiniizuka-arrival.rm(188KB)]




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