地方民鉄

伊豆急行「リゾート21」

ローカル運用ながら伊豆半島の観光路線に相応しいこの車両、
またロイヤルボックスとして特別車を1両連結している興味深い車両です。




03/02/24 熱海駅にて

白い車体に赤のラインが美しい。


大きな窓はきっと眺望がよいことでしょう。



展望車


まずは熱海、伊豆急下田両端先頭車にある展望車の様子です。
デッキから階段を登って上がると前に向って段々状に運転席に向って階段となっており、
前面の眺望をこの展望席では全ての乗客が楽しむことができます。
中央に見えているのは運転席との仕切りで扉なのですが、
驚いたことに客室との仕切はありません。徹底的に前面眺望にこだわった作りです。
またこの眺望を損なわないようにこの展望車では定員制です。立席者がいると見えませんからね。


今度は運転台から後方を見ています。かなりの階段であることが判ります。


腰掛ですがこれから出てくる中間車と同じ仕様のもの。
枕部には取手が付いており便利です。ただややシートピッチが狭いのが難点。



中間車


まずはデッキの様子。ローカル運用でありながら観光仕立てのこの車両、きちんとデッキもあります。
ただ少し寂しいデッキ。銀色に鈍く輝く扉以外に取りたてて装飾もなくちょっと残念。
また立席者のための握り棒の数も少なく、多客期には少々難点のようにも思います。


さて中間車全景です。右側には窓に向かって各々斜めに腰掛が続き、
左側にはシートピッチのある1人掛ボックスシートが並んでいます。
実は熱海方面に向って右側に眺望の良い窓には海が眺められることから、
このように腰掛が窓と対面しているわけです。
しかもそれだけでは面白みが足りないのか配置が斜めになっておりこれがアクセントにもなっています。
その腰掛背面、通路側はパイプが格子状に幾つも渡された棚が作られており、荷物置き場となっています。
左側の腰掛は固定式腰掛。形式そのものは珍しくはないですが独特の形状がおかしいですよね(^0^)。


海側の窓です。連続ではないものの最大限眺望を邪魔することなく考えられていることが伺えます。


窓だけでは缶も置けないためこんなテーブルが用意されています。
ただ座る位置によってはこのテーブルが腰掛配置によって斜めに切れているため使えないところもあります。
ちょっとデザインに走りすぎた面があるかもしれません。


更に妻壁よりに近づいて行きます。中央には車内の雰囲気とは別におとなしい感じの出入扉。
これは昨今の通勤車両よりも簡素な感じを受けます。


右手にはこんな空間がありました。恐らく海側には眺望を最大限に活かすために荷物棚が無い変わりに、
ここに大きな荷物は置いて欲しいということなのでしょう。ただしややもったいない空間のようには思います。


今度は先ほどとは逆側を見ています。
こちら側には4人掛のボックスシートが2つ並んでいます。
どうも車両開発コンセプトとしてグループ客を主眼に置いた車内空間造りのように感じます。


ちょっと天井を見上げて見ます。左側が山側、右側が海側です。
対称的な照明の配置。左側は連続したカバー付き照明なのに右側はスポット照明。
あくまでも海の眺望を楽しめるように配慮がなされているのでしょうか。
なお左手の桜は河津桜祭りの雰囲気を出すための装飾で期間限定です。


左手山側の窓を見ています。まず照明はこんなに低い位置にあります。
荷棚の下にあり、間接照明的な役割を果たしていると言えます。
そして窓枠。これが面白い形です。四隅は曲線を描いた上部だけ開閉する窓です。
これだけでも随分と独自性のある車両であることが伺えますね。
なお窓下にある梅のシールはこれも期間限定のもので桜より早く、首都圏よりも更に早く沿線で楽しめます。


腰掛ですが最初に妻壁に近い4人掛ボックスシート。
腰掛の間の中ヒジ掛はご覧の通り跳ね上げることができます。
なお、窓側との間には小物が置けるような長いテーブルが渡さされています。


こちらは山側にある固定1人掛腰掛。上記腰掛達と基本的には違いはないものの、
背ズリ同士が向かい合っているその形状は必要以上に太いものです。意匠的なものでしょうか。



ロイヤルボックス(ファンタージータイプ)


いよいよロイヤルボックス車両です。
全体の内装は白色に包まれ、その中で紫色を基本とした表地に包まれた腰掛の存在が印象的です。
JR線内ではグリーン車として活躍できる上質な空間雰囲気を醸し出しています。


デッキにはロイヤルボックス内でのドリンクサービス(有料)などをサービスする設備が備え付けられています。
ここからロイヤルボックス内でのサービス専任女性スタッフが席までサービスを伺いに行きます。


反対側のデッキに向いましょう。ここには左手に化粧室、右手には喫煙ルームが設けられています。


化粧室の扉を開けてみました。洗面台はこの中に収められており、他便器等はこの奥にあります。


今度は右手にある喫煙ルームの様子。狭い空間なのでこのような画像となっています。
基本的には灰皿以外にはなにもありません。中央には据え置き式の灰皿がひとつ。
そして大きな窓の車窓を喫煙時にも楽しめるように壁には
少し腰掛られるパイプイスのようなものも見えています。


客席方向には沿線を切り取った写真が飾られており、
いささか無機質なこの空間を和まさせています。


それでは客室内を見ていきます。こちらは山側にある2人掛腰掛。
ロイヤルボックスの名に恥じないグレードの高い腰掛です。


背面には背面テーブルは無いものの、足掛は特別大きいものでした。
いかにこの車両のコンセプトが寛げる空間を目指しているかのように感じられました。


こちらは海側にある1人掛腰掛。仕様としては2人掛、1人掛ともに同じです。
座り心地はやや硬めながらもシートピッチも広いこともあって大変脚を伸ばして寛げる腰掛です。
窓に見えているテーブルに実はこのロイヤルボックスだけのサービスがあります。
席に着座するとおしぼりを先ほど紹介のスタッフが持ってきてくれ、
このテーブルの上にある黄色のメニューからドリンク等を選ぶことができます。


そしてテーブルの下にあるボタン。これでスタッフを呼べるようになっているのです。
またテーブル向こうには窓と腰掛の間になにやら板のようなものが見えます。


実はこれ荷物置き場。窓に最大限の配慮を考えたことで荷物棚がないこの車両ではなるほどの設備です。


そしてこれが最大の醍醐味、トンネル内の暗くなった間には天井が星空となり、
ほどよい音量の効果音とあわせて夜空となります。
これがいい発想で素晴らしい車窓とは逆にトンネルも多くある路線で、
車窓が見れないトンネル区間で少しでも退屈しない仕掛だと思います。



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