地方民鉄

黒部峡谷鉄道

 黒部峡谷とは北アルプスの立山連峰と、白馬岳・鹿島槍ケ岳を連ねる
後立山連峰との間の深い大峡谷で、昭和9年に中部山岳国立公園に指定されています。
この峡谷を流れているのは黒部川で富山湾に長さ86KMものの長さで注いでいます。

 黒部峡谷鉄道はこの峡谷沿いを宇奈月から欅平(けやきだいら)までの20.1KMを
約1時間30分かけて走行します。途中の施設としては、トンネル…41箇所・橋…28箇所をも通過します。

電源開発と軌道の敷設

最初は宇奈月から上流はわずかに歩道があっただけで、
峡谷には岸壁が迫っており、到底工事を進めることができない状況でした。
そこで大正12年(1923)9月に宇奈月、猫又間の軌道敷設工事に着手し、
大正15年(1926)にようやく開通しました。
現在は途中の駅である猫又まででも充分、峡谷が深く、軌道はトンネルが続きます。
そして同時に大正13年(1924)6月に発電所建設工事に着手し、
洪水や雪崩に見舞われながらも、10年後の昭和2年(1927)11月に柳河原発電所が運転を開始しました。

そしてさらに発電所建設と軌道延長工事はともに進められ、
軌道も昭和12年(1937)7月に欅平まで開通しました。
現在の営業運転はこの欅平までですが、さらに電源開発のために軌道を延長しようとしたものの、
欅平からは川床がさらに急勾配になっており、両岸に絶壁が迫っているため、
軌道の延長を断念して山中をエレベーターでつなぎ、さらに世紀の大工事といわれた「くろよん」へと続きます。

このように、電源開発工事とともに歩いてきた黒部峡谷鉄道は、
最初は電力会社の専用鉄道として作業のために運行されていたため、
当初は普通に旅客として乗るお客に「生命の保証をしません」、
と切符の裏に書き、これを了解のうえで乗車していたそうです。
もちろんいまでは安全は確保されております。



さて各車両を見ていきましょう。


パノラマ客車

完全に外壁で客室内が守られており、かつ眺望もいいよう窓も大きめです。
天井には照明も完備し、黒部峡谷のかなり奥地まで入るわりには、
この車両に乗車すれば落ち着いて乗車することが可能となります。


特別客車

腰掛は普通車両と同じ脚台に座面なものの、脚台にはヒーターがあり、
かなり冷え込んでくる秋などのシーズンはいいのかもしれないです。
また背ズリがあるため長時間の乗車ではこれがあるだけでもだいぶ助かります。
クロスシート横に見える白いものは折りたたみ式腰掛、
狭い空間で通路と最大限乗客着席数確保を考えたものです。



普通客車

格好良くいうとオープンエアーでしょうか。ようするに壁なしです。
枕木方向に向かってベンチが幾重にも並んでおり、背ズリもありません。
それでもトロッコ列車ならではの開放感がこの車両の乗車では体感でき、
天候がよければ最高に気持ちがいい車両と言えます。




黒部峡谷鉄道 車窓より(32秒)
ダウンロード[kurobekyokokutetudo-1.avi](27,200KB)

黒部峡谷鉄道 車窓より(51秒)
ダウンロード[kurobekyokokutetudo-2.avi](43,419KB)



☆沿線の風景☆  黒部峡谷鉄道 黒薙温泉駅



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