大手民鉄

23000系「伊勢志摩ライナー」



03/06/21 賢島駅にて

時間帯によってはこんな揃い踏みも見られます。



次はグループ客に最適なサロンカーです


サロンカー外観には専用のシンボルマークと文字(SALOON SEATS)がさりげなく入っています。

客室内に入る前にデッキにあるシーサイドカフェコーナーを見てみましょう。


かってはシーサイドカフェとして軽食などを扱っていましたが、現在はそのようなサービスも廃止され、
ロゴもこのようにそのまま残りながら、サービスの無いラウンジのような感じになってしまっています。
このシーサイドカフェの存在の考え方については、協力・提携サイト
「Zone-S −鉄道座席趣味−」の近鉄23000系特急(伊勢志摩ライナー)他
を参照頂きたいのですが、このカフェを挟んでレギュラーカーとサルーン・デラックスカーとを隔てます。


さすがはシーサイドと銘をうつだけあってブルーの小波(さざなみ)を連想させるような明るさ。
そしてサービスをするためのカウンターテーブルがスペース真中に占めています。


出入扉だって気を抜いてはいません。観葉植物があるのは近鉄らしいところでしょうね。


テーブル越しに見る窓はひときわ大きく、明るく・視覚的にも広くこのスペースを魅せます。


サービススペース上にあるモニタ。使われてはいませんが・・・。


こちらも使われていないでしょうが、レンジもまだ有ります。


おそらく船舶の窓を連想させるように造られたショーウインドウ。この時は志摩スペイン村をアピール。

まずは全景から。


入った瞬間に誰もが思うはずだと思うのですが、なにやらものが迫ってくる感じがすると思います。
それはこの車両の最大の特徴である半個室のような空間作りにあるのではないでしょうか。
一つ一つの空間を造りだすために、腰掛そのものが大きく、背もかなり高くなっています。
また向かい合う背ズリを利用してアーチ形のフードが付けられて小荷物棚が設置されています。
また色彩的にも他の車両とは異なり、やや暖色系の斑模様のような横縞を生かした色彩感覚。
これが「SALOON SEATS」の雰囲気作りになおさら活躍していることでしょう。


さてその荷物入れですが側面はこのように何段にもパイプが棚を作って造られています。
写真の左右で上部のカバーの色が黄色と水色と違うのは2人掛が黄色、1人掛が水色と
枕カバー同様こだわった配色を分けていることにあります。


天井を見上げてみます。個室の空間毎に天井にも柱はないですが、
横走りのように柱が渡されているのが判るでしょうか。
また照明もきっと特注ではないかと思いますが、大きな楕円に近いカバー付。
ちょうど通路真上にくる送風口に合わせてその照明を分断させているのはほんと拘りですね。


妻部に近付きます。なぜか妻壁だけは白だけのシンプルな配色。
デッキへの扉は標準的な大きさなのですが、まわりの造形物に影響されて狭く見えていますね。


LED式案内表示器では停車駅などの基本表示や英文表示が案内されています。
右手に見えているのは近鉄標準の大きな号車表示とトイレの在室のサイン表示です。


さあ、腰掛を見てみましょう


まずは2人掛腰掛。「SALOON SEATS」の通り大きなソファーシートの感覚ですね。
上記にも書きましたが、表地がジャガード織のような横縞が虹のように入りかなり明るい感じ。
座り心地もデラックスシートと劣らず長時間の着座にも疲れにくい程良い硬さです。


またシートにはもちろんデラックスシートにもあるオーディオ装置を備えています。


今度は1人掛です。腰掛仕様は2人掛に同じですが、その座面幅もあってたいそう大きく見えます。
枕カバーは2人掛の黄色に対して1人掛は水色となっています。


視線を下にやってみましょう。窓枠の下にはなにやらスイッチが見えています。
実はこれ窓のカーテンを上下に昇降させるスイッチなのです。
なお窓が天井近くまで一杯にきているため席番表示もここにありますね。(^^;
ただフックは帽子掛としての役割のようですが、必要ないようにも思います。
金具はマガジンラックのようですがもともとテーブルがありますし、
スイッチを使った時に冊子を差し込んだ状態では邪魔そのものではないでしょうか。


なお全部カーテンを降ろすとこのような感じになります。


なおテーブルは固定でどーんと腰掛間に鎮座していますが、ちょっとサイズが大きくて邪魔なような・・
1人掛のほうのテーブルは上の腰掛の写真に見られるように形がことなり正方形です。


背ズリ上部には縦に送風方向を個別に調整できる空調がありました。
ただこれ一般的な乗客の方は気がつきにくいでしょうね。



最後にレギュラーカーを


まずは全景から。荷物棚のクリームイエローの直線のすっきりとしたライン。
そして席毎に異なる腰掛の表地「緑・黄・赤・青」の色とりどりなポップな色彩感覚。
このへんの色使いによる車内の見せ方には近鉄ならではの素晴らしさがあるように思います。


天井も1本の送風口以外はまったく余計なものがない好感の持てるデザイン。


レギュラーカーながら間接照明を使いまくりです。荷物棚下にも仕込まれていますね。


妻部に近付きます。妻壁はサロンカーに同じく白のさっぱりとした壁面となっています。


レギュラーシートにも足掛はあるためもちろん妻部にも隅用足掛が設置されています。
なおここでよく見える床は黒に近い色でさきほど書かせて頂いたポップな色を支えているんでしょうね。

さあ、腰掛ですが


そのポップな色使いに期待する座り心地はちょっと硬すぎて意外な感想。
長距離運用ということを考慮に入れてもここまでやることはなかったのではないでしょうか。
特に背ズリの頭部のあたりが座っていて硬く感じてしまいます。
ただ腰掛の機能としてはデラックスに負けず劣らず背面の網袋やインアームテーブルなど
はもちろん足掛などきっちりと装備しています。



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